家庭教師ヨウコ先生の日記

家庭教師をするようになって13年目になります。 これまでの経験や、子育てのこと、趣味のこと、色々綴っていきたいと思います。

不登校の生徒への指導について

今日は、私が過去に受け持ちした生徒で、印象深いご家庭のことを書きたいと思います。

Aさんは、小学校高学年から不登校でした。きっかけは、鼻の下にある「アザ」をからかわれたことでした。それ以降、彼女は夏でも冬でも常にマスク。私が授業に行くときもマスクを外すことはありませんでした。Aさんの家は母子家庭で、経済的に私立には行けない、ということで県立高校で比較的偏差値の低い高校に入れるように、授業のサポートをしてほしいという依頼でした。

今でこそ、色々な不登校の生徒を経験しているのでどしんと構えられるのですが、当時はまだ経験も乏しく、正直、Aさんにどのように接したらよいか迷いました。というのは、Aさんはほとんど話をしない寡黙な生徒だったからなのです。「こんにちは」とあいさつすると、お辞儀はするので、彼女なりの礼儀はあるとは思うのですが、こちらが10話して1返ってくるくらいの授業だったので、ほぼ、一方的に私の方から話していました。で、授業をしているうちに、彼女の特徴をつかむようになります。分からないときはため息をつく、寝たふりをする、ということに気づき、そのような行動が見られたら、すぐに内容を変える、問題を易しいものに変えるといったことを心掛けました。色々と私の方で努力しても彼女が正直どのように感じているのかは直接聞くことはできませんでした。しかし、Aさんのお母さんは、明るくてハキハキした印象の人で、「娘はああ見えて分かりやすいって言っていますよ」と教えてくれたのが救いになり、受験まで約2年指導を続けることができました。

 

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不登校の生徒のお母さんは、子供に寄り添い、学校ともうまく連絡をとっている方が多いですが(特に近年は多いように感じます)、Aさんのお母さんは中学校に対して敵対心といいますか、中学校は何もしてくれない、と常に学校に対する不満を持っている様子でした。受験のことを中心に、色々と相談に乗ることで、私も学ぶことがたくさんありました。ただ、そのお母さんは、中学校に敵対心を持ちつつも、Aさんのことは絶対に守る、という決心が見られましたし、Aさんのためなら、と不自由がないようにしているのが分かりました。母一人、子一人というのもあるかもしれません。

結果、彼女は公立の志望校に合格しました。数年前の話なので、今は社会人になって働いているのかな?

どんな大人になったのか気になるところです。大切に育ててくれたお母さんに恩返しできる大人になっているといいなあと思います。